シーズン2では前シーズンよりも話数がぐっと増え、全13エピソードとなっています。舞台となるのはもっぱらハーシェルの牧場で、前半はキャロルの娘ソフィアの捜索、そして後半はリックとシェーンの争いが中心。
いよいよグループ内の人間関係が発展して、のちのシーズンの布石となってゆきます。シーズン2の第1話~13話までのネタバレあらすじを各話ごとに、またシーズン通しての感想をまとめています。
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第1話
アトランタを離れたリックたち一行は、軍隊ならウォーカーを制圧しているかもしれないと考えてフォートベニング基地へ向かいます。
しかしハイウェイは乗り捨てられた車で塞がっており、立ち往生に。そこへウォーカーたちの群れが襲来。キャロルの娘のソフィアが行方不明になってしまいます。
ハイウェイの周辺の森を探し回るリックたち。しかし、ソフィアは見つかりません。
しかも鹿を見ていたカールが誰かに撃たれ、重傷を負います。
第2話
リックは近くの牧場にカールを運び入れます。そこは獣医のハーシェルとその一家が暮らしていて、カールをうっかり撃ったのもその牧場で働くオーティスでした。
弾を取り出し手当をするハーシェル。さらに手術が必要なので、そのための薬をオーティスとシェーンが街に調達しにゆきます。
しかし、ウォーカーたちに取り囲まれ、帰るに帰れなくなります。
第3話
ソフィアはなかなか見つかりません。Tドッグやグレンは捜索を一旦打ち切り、ハーシェル牧場に落ち着きます。
一方、ダリルはキャロルを助けてなおもソフィアを探すのに懸命です。カールの容態も予断を許しません。
そこへようやくシェーンが薬を持って帰還。オーティスはウォーカーにやられたとリックやハーシェルに告げますが、実はシェーン自身がオーティスの足を撃ち、彼を犠牲にして1人で逃げ出したのです。
第4話
カールの手術は成功。ダリル、キャロル、デール、アンドレアもハーシェル牧場へやって来ます。
ダリルが1人ソフィアの捜索を続ける一方で、一行は牧場での生活を整えることに力を注ぎます。
グレンはハーシェルの娘マギーと親しくなり、物資を仕入れに行ったドラッグストアで肉体関係に。
そしてローリは自分が妊娠していることを知ります。
第5話
ソフィアの捜索はまだ続きます。単独で捜索をしていたダリルは落馬し、大怪我を負います。
朦朧とした意識の中、兄のメルルの幻影を見るダリル。しかしそれは近づいてきたウォーカーでした。
何とか難を逃れ、ようやく牧場にたどり着きます。
一方、グレンはマギーとの逢びきのために大きな納屋へ。そこに大勢のウォーカーが匿われていることを発見します。
第6話
カールの傷も癒え、元気になりました。
マギーから頼まれたグレンは納屋の事を秘密にしますが、デールだけには話してしまいます。ハーシェルを詰問するデール。しかしハーシェルは彼らはまだ人間だと言いはります。
一方、ローリは妊娠の事実を秘密に。しかし中絶薬のせいでリックの知るところとなり、ローリはシェーンとの情事を告白してしまいます。
第7話
グレンは結局リックたちに納屋のウォーカーの件を告げます。リックはハーシェルにその排除を要求しますが、逆に1週間での立ち退きを迫られます。
立ち退きを逃れたいのならウォーカーを人間として扱え、と言われたリックはハーシェルの言いつけに服従。
沼地のウォーカーたちを納屋に運び入れようとしますが、シェーンはそれに反対し、納屋の入り口を開いてウォーカーたちを撃ち殺します。
そして最後に出てきた少女のウォーカー。それは無残にも変わり果てたソフィアでした。
皆が嘆き悲しむ中、リックは彼女の頭に銃弾を撃ち込みます。
第8話
納屋のウォーカーの中にはハーシェルの妻もいました。リックたちの行動にショックを受け、ハーシェルは1人で牧場を出て、街の酒場へ。
心配したリックとグレンが彼を連れ戻そうと酒場へゆくと、そこに武装した生存者の男たち2人が入ってきます。彼らからフォートベニング基地がウォーカーたちによって占拠されていることを聞き、リックたちは落胆。
2人が牧場へゆくことを強要した事からいさかいが起き、リックは彼らを射殺します。これがリックの初の殺人となりました。
一方、ローリはリックを探しにゆく途中で車を横転させ、気絶してしまいます。
第9話
男たちを射殺したリックたちは外にいた彼らの仲間から銃撃を受け、酒場に立てこもる羽目に。
一方、横転した車から這い出したローリはウォーカーに襲われながら夜道を逃げます。やがてシェーンが心配して彼女のもとに駆けつけ、何とか牧場へ。
リックたちも悪漢たちを倒し、酒場から外へ出ますが、怪我をした悪漢の1人ランダルを見捨てることが出来ず、彼を連れて牧場へ帰ってきます。
第10話
ランダルの処分を巡ってグループ内の意見が別れますが、牧場から離れた学校の敷地に放置することに決定。リックとシェーンがランダルを連れてゆきます。
ローリを巡って仲が険悪になった2人はその道中でも口論が絶えません。学校の敷地でも喧嘩となり、そのせいでウォーカーに襲われる2人。結局ランダルも連れて学校をほうほうの体で逃げ出します。
第11話
学校から連れ帰ったランダルを処刑することになり、デールだけがそれに反対します。ヒューマニズムを説き、皆を必死に説得しようとするデール。しかし、それでも決定は覆りません。
そしてリックが銃で処刑を決行しようとすると、カールがやってきて、リックに早く撃つように促します。その残酷さに驚いたリックはとりあえず処刑を中止。カールをローリの元に連れてゆきます。
一方、1人で狩りに出たデールはウォーカーに襲われ、瀕死の状態に。ダリルが仕方なく彼の頭を撃ちます。これがダリル初の殺人。
第12話
デールの死はグループの考えに影響を与え、皆はランダルを処刑せず、どこかで解放するつもりになります。しかし、精神を病み始めたシェーンだけはそれに反対。
皆に無断でランダルを連れ出し、森の中へ。一旦は助けるふりをしながら彼の首の骨を折って殺害。そして自分で顔に傷を作り、皆の元へ。
ランダルが逃げたので追いかけたのだと作り話をします。全員でランダルを追うことになりますが、シェーンはその捜索中にリックを殺すつもりでした。
しかし計略を見抜いたリックは彼と乱闘に。リックはシェーンをナイフで刺し殺してしまいます。
そしてシェーンは噛まれたわけでもないのにウォーカー化。いつの間にかそばに来ていたカールがそれに気づいてシェーンを射殺します。
第13話
シェーンを射殺したカールに付き添って家に戻ろうとしたリックはウォーカーたちが続々と牧場に集まっていることを知ります。
余りの数の多さに立てこもることも不可能だと知ったハーシェル一家やリックたちは牧場を捨てて逃げることを決意。襲いかかるウォーカーを倒しながら何とか何台かの車に分乗して敷地を出てゆきます。
アンドレアだけは歩いて森を逃げますが、やがてウォーカーに追いつかれ、絶体絶命のピンチに。そこに助けに来たのが日本刀を振り回す謎の人物。なぜか手のないウォーカーを家来のように連れています。
リックたちは野宿しますが、そばに刑務所らしい建物がありました。
シーズン2まとめ
最後に次のシーズンの舞台となる刑務所がチラッと出てきたり、いわくありげな日本刀の使い手が現れたり、第1シーズンと違って次の展開へ繋げる伏線が多いのがこの第2シーズンの特徴でしょう。
ダリルがいよいよ彼らしい個性を見せ始め、登場人物の中でも重要度を増してきます。
シーズン1では人が人を殺すということはありませんでしたが、シーズン2になって殺人も行われるようになり、いよいよ人間同士の争いが顕著になっていきます。
[ad#watch]シーズン2の感想
読者さんからいただいた感想をまとめました。
ベリーさん
ウォーキング・デッドというドラマはまさに現代のアメリカの世相が出ている物語だと思います。
ウォーカーと呼ばれるゾンビ達に取り囲まれ襲われる彼らの姿は移民の増加に怯え自分たちのテリトリーに入ってくる戸惑いや恐怖を表しているように感じます。
また、劇中出てくるキャラクター達の人種も白人が一番多く少し黒人やラテン系がいてアジア系は唯一一人だけ出てきます。このバランスは現在のアメリカの人種の比率を現したようです。
シーズン1から逃げ惑う先に出会ったのは古き良きアメリカを思い起こさせるような保守的な一家が暮らしている農場です。
この家に住む老人はかつてアイルランドからアメリカに来た移民です。まさに現在、マジョリティである白人層であり老いていっている層です。
そういった層を表したような彼というキャラクターが白人である自分の娘をアジア系のグレンというキャラクターに任せ、「移民がこの国を造った」と言い、自分の父親から譲り受けた大事な品である時計をグレンに渡すというシーンには今の不安定なアメリカにとても強いメッセージを送ったように見えました。
古い世代から新しい世代に引き継ぎをし古い価値観を脱ぎ捨て新しい価値観を受け入れていくそういったものを表したような感動的なシーンでした。
差別や人種間の摩擦、増える移民や新しい価値観そういったものに戸惑いを隠せないマジョリティである層のアメリカ人たちはこの場面をどう受け止めたのかなと気になります。
こうじさん
ウォーキングデッド・シーズン2を見て色々と考えさせられましたね。ゾンビのいる荒廃した世界で人間らしく生きていけるのかがテーマだと感じました。
頼りにしていたCDCがダメだったので新たなる安住の地を求めてリック一行は旅立ちます。その過程で幼女のソフィアの姿が見えなくなり、捜索します。
捜索中にカールが森の中でオーティスから銃弾に撃たれ、その手当てをしてもらいにカールを牧場主のハーシェルの所まで連れていきます。ハーシェルは医者ではないが獣医師なので治療が出来るからです。
色んな事故がかさなったとはいえ、この時は残念な偶然が重なっただけでした。
ソフィアが行方不明になってもリック・シェーン・ダリルといった主だった大人のメンバーは一生懸命捜索しましたし、カールを撃ったオーティスもカールを助けようとハーシェルの所まで連れていきました。
歯車が狂いだしたのは、カール治療の為に抗生物質を取りにいった時からですね。
抗生物質をとりに行ったのはシェーンとオーティスです。リックはカールへの輸血でまともに動けませんしシェーンが行くのは納得です。オーティスも自分が撃ったせいでカールが負傷したんですから自責の念に駆られたんでしょう。
しかし学校から脱出する際、はシェーンは自分が助かるためにオーティスを犠牲にするんです。
シェーンがこの決断をしなかったらシェーン・オーティス共にゾンビに殺され、抗生物質がないことによりカールも亡くなっていたでしょう。
この悪魔の決断をすることで三人共死亡という最悪の事態は避けられましたが、スッキリしない展開になっていくんですよね。
カルネアデスの板を例にするなら、シェーンのとった行動は非難されるものではないんですけどね。しかしこの事がさらにリックとシェーンの間の亀裂を大きくし、殺し合いをすることにもなります。
あと気になったのはゾンビの定義ですね。
愛する人がいきなりゾンビになったからといって倒せるわけはありませんよね。リック達は生き残る為に割り切ってきましたが、山奥でひっそりと牧場経営をしていたハーシェル達はそういう修羅場に会ったことはなかったんです。
その結果、ハーシェルはゾンビ化した妻もいつか治ると信じ、納屋にゾンビ達を収容してエサも与えてたんです。このゾンビの中にはシーズン2の最初に行方不明となったソフィアもいたんですよね。
ソフィアはリック達の中では家族のような存在になってましたし、ショックは半端ありません。私も衝撃でした。納屋からゾンビを出し、ゾンビを倒していくシーンはなんとも言えませんでしたね。
そして最後はゾンビの大集団に襲われて牧場は壊滅します。
リック達はせっかく牧場という安住の地を見つけたのにまた違う所を探さなければいけない、しかも各自はバラバラになってしまい、今後の展開に目を話せない結末となってました。
ふじさん
あらゆる生物を襲い、食らうウォーカーと呼ばれるゾンビ集団がはびこる世紀末世界、何が起こったのか訳の分からないまま、ただただウォーカーを恐れて逃げ惑うシーズン1の展開からより深い人間ドラマへと進んでいくのがこのシーズン2です。
シーズン1での生存者たちが逃亡の中で新しい人たちとの出会いもあり、行動を共にし束の間の安息の地にたどり着き、そこで愛情や憎悪や疑念や様々な感情が芽生えぶつかり合い、ウォーカーと戦うだけではなく生存者同士の人間関係が表面化していきます。
真の敵はウォーカーではなく同じ人間なのでは、と思わせるところがただのゾンビ物ではない深みを感じます。
そして極限状態に陥った時の人間の弱さがなんとも悲しくて、ドラマティックで衝撃的なシーンの数々に心を打たれます。
ところがここから先にシーズンが進むとさらに登場人物が増えてコミュニティが形成され、かなりドロドロして複雑な人間関係になってきて明らかに対ウォーカーではなく人間同士の権力闘争やいざこざがメインになりゾンビ物としてはどうなの?ってなってくるので、「圧倒的なパワーで襲ってくる恐怖のウォーカーと戦う」というゾンビ物と「生存者たちの人間関係と心理描写を描く」という人間ドラマとしての配分がちょうど良いのがこのシーズン2だと思います。
けいさんの感想
シーズン2といえば、リック達がハーシェル一家と出会うことではないでしょうか。そしてハーシェルの娘のマギーとグレンの新しい恋。
このウォーキングデットではリックとローリーとシェーンの三角関係や、マギーとグレンの初々しい恋など、意外にも男女の恋話が組み込まれています。ただのゾンビ映画ではありません。
ただのゾンビ映画ならホラー映画なので、女性ファンはこんなについてこないでしょう。私も含め、私の周りには女性ファンが多いのは、やはりたまに入ってくる恋話のおかげだと思います。
生きるか死ぬかのサバイバルをする中で、愛する人を守るということは、生きる目標にもなります。
そしてすごく悲しかったのは、キャロルの娘のソフィアがまだあんなに小さい子供なのに、ゾンビになってしまうことです。
キャロルはこれからのシーズンでも登場する重要人物ですが、その子供がこんなに早くシーズン2でゾンビになるとは・・・このドラマは、視聴者の希望を簡単に裏切り、なかなか冷酷な展開としていく点が特徴な気がします。
殺してほしくない・まだ死なないで欲しい・と思う人物をあっさりと消します。
そして最後はシェーンが死にます。シェーンには申し訳ないのですが、まだ死んでほしくないという感情はなかったので、すっきりしたシーズン2の終わりでした。
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